タングステン80%は廉価版???
廉価版と解釈され不評?
そもそも、
タングステンの比率を上げるメリットは、
重さのわりに小さいor細いバレルを作れるところ。
最近、長めのバレルが増えてるけど、中をそうとうくり抜かないといけなくなる。
80%に下げるのは合理的な選択。
最大経太めが好まれる日本ではなおさら。 https://t.co/c21iFLMgMp
— 武器商人@ダーツのブログ お夏さんからいいね欲しい❤️ (@BukiDartsBot) 2018年11月17日
バレルの素材の話
ダーツのバレルには、
- ブラス
- ステンレス
- タングステン
とありますが、比重が一番高いのがタングステンです。
比重とは、単位体積あたりの重さのことです。
比重が高ければ高いほど、小さくて重いバレルを作れます。
従って、タングステン比率を上げるということは、
- 重さのわりに小さいor細いバレルを作る
- 小さいわりに重いバレルを作る
あるいは、その両方が目的だと思います。
しかし、最近のダーツバレル事情はおかしい。
どこがおかしいかを説明します。
タングステンは、非常に硬いため加工のコストが高いです。タングステン100%は現実的ではなく、90%が主流です。
そして、タングステン70%や80%の商品も続々と発売されておりますが、
- タングステン比率が高い=上級者向け
- タングステン比率が低い=エントリー向け
という印象が強くついてしまっている気がします。
バレルの重さのルールについて
気づいたら大会規定なんかのバレルの最大重量も1本あたり5グラムぐらい重くなってるし💦(笑) 数年前はセットした状態で3本合わせて60グラム 現在は75グラムですよ(笑)
重いバレルがダーツ界をダメにする! – 畑野千春の30才からのダーツのススメ
大会の規定が変更されているんです。
例えば、数年前に人気だったバレルを考えてみましょう。
TARGETのオスカーというバレルがあります。(過去販売されておりましたといったほうが正確でしょうか?)
岩永美保(いわながみほ)さんという、すごく美人で上手な女子プレイヤーのモデルです。プレミアがついているのか、すごい値段になっております(笑)
こちらが、
スペックは、
- タングステン90%
- 38.0mm
- 16.5g(バレル単体)
と、むちゃくちゃ短くて軽いです。
理由は、いくつかあると思いますが、規定重量の兼ね合いもあるでしょうし、短いトルピードが流行ったということもあるでしょう。
16.5gがある意味、王道の重さだったと思います。
そして、短いトルピードバレルで、ある程度の重さをキープするには、タングステン比率を上げることが必須だったと思います。
最近のバレルのトレンドは?
- 長め
- 重め
です。
長くすれば重くなるのは当たり前なのですが、更にタングステン95%や、97%なんてものまで出て来た。
バレルの比重から重さを計算してみよう!
合成比重の求め方
先ほど、タングステン100%は無いと書きました。
そうすると、他の金属と混ぜるということになります。
何を混ぜるかについては、各メーカーで異なり、カタログスペック上は明記されておりません。
複数種類混ぜられている可能性もありますし、詳細は不明です。
ニッケルをサンプルにします。
金属単体の比重、密度の一覧表によれば、
- タングステン=19.30(g/cm3)
- ニッケル≒8.90(g/cm3)
です。
例えば、タングステン90%だとします。
合成した比重は、
比重=(19.30×9+8.90×1)÷10≒18.26(g/cm3)
となります。
70%~95%を計算すると、
- 70%=16.18(g/cm3)
- 80%=17.22(g/cm3)
- 90%=18.26(g/cm3)
- 95%=18.78(g/cm3)
となります。
比重から重さの求め方
体積から重さを求めるには、
重さ=比重×体積
となります。
単純な構造のほうが計算しやすいので、ストレートバレル(単純な円柱)とします。流行りですしね(笑)
長さと直径はいくつかサンプルを用意しました。
そして、2BAの場合、ネジ径は約4mmらしいです。それを、バレルの前後から抜くということになります。実際に計測してみるとわかりますが、けっこう差があります。
今回は、前後それぞれ10mm(合計20mm)抜くとします。おそらく、かなり浅めの抜きかと思います。
以下の計算式から重さを求められます。
重さ=((3.14×半径×半径×長さ)-(3.14×2×2×20))÷1000×比重
です。
求められた比重-重さ表は以下です。
以下は考慮しておりません。
- カット
- 抜きの調整
- 円周率
- 誤差
長さ | 直径 | 70 | 80 | 90 | 95 |
---|---|---|---|---|---|
40 | 6.25 | 15.78136525 | 16.79574225 | 17.81011925 | 18.31730775 |
40 | 6.5 | 17.400781 | 18.519249 | 19.637717 | 20.196951 |
40 | 6.75 | 19.08370325 | 20.31034425 | 21.53698525 | 22.15030575 |
45 | 6.25 | 18.26208791 | 19.43591803 | 20.60974816 | 21.19666322 |
45 | 6.5 | 20.08393063 | 21.37486313 | 22.66579563 | 23.31126188 |
45 | 6.75 | 21.97721816 | 23.38984528 | 24.80247241 | 25.50878597 |
50 | 6.25 | 20.74281056 | 22.07609381 | 23.40937706 | 24.07601869 |
50 | 6.5 | 22.76708025 | 24.23047725 | 25.69387425 | 26.42557275 |
50 | 6.75 | 24.87073306 | 26.46934631 | 28.06795956 | 28.86726619 |
55 | 6.25 | 23.22353322 | 24.71626959 | 26.20900597 | 26.95537416 |
55 | 6.5 | 25.45022988 | 27.08609138 | 28.72195288 | 29.53988363 |
55 | 6.75 | 27.76424797 | 29.54884734 | 31.33344672 | 32.22574641 |
考察
上記から、カットを入れたり、抜きを深くして調整して行くことになると思います。
長さ40mmの直径6.5mmくらいでそれなり重さというところでしょうか。
長めのバレルの場合は、相当くり抜かないと規定重量を超えてしまいます。
いくつか、売れ筋のバレルを見てみましょう。
トリニダード ゴメス Type9 2BA

- タングステン95%
- 最大径6.5mm
- 長さ55.0mm
- バレル重量 22.7g
僕の求めた計算式でいうと、「26.95537416」gです。
ここから、カットを入れたり、抜きを数ミリ深くすれば、カタログスペック通りになると思います。
正直なところ、タングステン比率&長さ&直径を考慮すると、超重量級になるのは必然です。
Unicorn マエストロ 浅田斉吾 2BA

- タングステン90%
- 最大径6.7mm
- 長さ50.0mm
- バレル重量 22.0g
僕の求めた計算式でいうと、「28.06795956」gよりちょっと小さいくらい。
かなり激しいカットが入っているので、重量は削れてると思います。抜きは多少深い?かも。
タングステン95%にしたとすると、あと1gは重くなりますので、規定重量オーバーの可能性が高まります。
TARGET(ターゲット) RVB 80 BLACK 2BA

- タングステン80%
- 最大径6.45mm
- 長さ50.0mm
- バレル重量 18.0g
僕の求めた計算式でいうと、「24.23047725」gよりちょっと小さいくらい。
カットはあまり入っていないので、けっこう中身をくり抜いているんではないかと予想。
しかし、タングステン80%のメリットはこの部分で、この長さと最大径で、ある程度軽いバレルが作れるところ。
Unicorn シルバースター 浅田斉吾 2BA

- タングステン80%
- 最大径6.80mm
- 長さ50.0mm
- バレル重量 21.0g
僕の求めた計算式でいうと、「26.46934631」gよりちょっと小さいくらい。
タングステン90%のモデルと比較しても、多少軽い程度。
RVBと比べると、すごく重い。
ということは、中身はあまりくり抜かず、ムチムチに中身が詰まっているバレルなんじゃないか?と予想(笑)
Gomez Type10について

空牙T-80バレルインプレッション

結論⇒長めのバレルはかなり重い
同じデザインだとし、抜きをあまり考慮しないと、タングステン80%と90%では、数g変わってきます。
ソフトダーツの規定重量を超えない重さと考えると、90%でギリギリ。
95%のバレルを作るとしたら、ゴメス9並の超重量級になるか、相当中身をくり抜かないと実現しないかと思います。
97%?もはや、ソフトダーツでそこを追求する必要性ある?というレベルだと思います。
ちなみに、畑野千春プロの言うところの、一番のお勧めはタングステン80%だとのことです。
そーなんです!
80%だから出来るバランスがあるのです!
ソフトダーツには80%が1番だと思ってます
— 畑野千春 (@chiharu_voug) 2018年11月17日
[…] タングステンバレル(70,80,90,95)パーセンテージによる重さの違い 4BAの長めのバレルが商品化されていなかったのは […]
[…] タングステンバレル(70,80,90,95)パーセンテージによる重さの違い 4BAの長めのバレルが商品化されていなかったのは […]
[…] タングステンバレル(70,80,90,95)パーセンテージによる重さの違いタングステンバレル(70,80,90,95)パーセンテージによる重さの違い。タングステン比率と比重を数式にしました。また、実際 […]