どうも、武器商人(@BukiDartsBot)です。
ダーツのパーツには、メインとなる部分のバレル以外にも、チップ、シャフト、フライトとあります。
バレルにどんな部品を組み合わせるかを「セッティング」言いますが、シャフトの長さやフライトの大きさで飛びが大きく変わってきます。
今回は、フライトの大きさは置いておき、シャフトの長さでどう飛びが変わるか?について書きたいと思います。
セッティングを変える理由
ダーツをはじめたばかりの頃は、自分がどういう投げ方をしていて、ダーツがどう飛んでいくか自分でも把握していないことが多いです。
最初は、
- 知野真澄プロが短いシャフトを使っているから短いシャフトを使ってみよう!
- 村松治樹プロが長いシャフトを使っているから長いシャフトを使ってみよう!
といったような、見かけで判断してセッティングを変えることが多いかと思います。
これで自分の投げ方に合えばいいんですけどね。。
残念ながら、特徴的なセッティングほど、合う合わないの差が大きいです。
上手なプレイヤーほど、様々なセッティングを試しているのも事実で、試行錯誤は大事です。
ある程度レベルが上がって来ると、課題が見つかると思います。
- 短いシャフトのほうが気持ちよく飛ぶ
- 長いシャフトだと顔に当たる
などです。
特に、直線的に投げたいだとか、山なりに投げたいだとか、「飛びのイメージ」によってセッティングを変える方も多いです。
では、シャフトの長さによって、飛びはどう変わるのでしょうか?
シャフトの長さと飛びの関係性
例えば、ダーツハイブさんのサイトを参考にすると以下の記載があります。
一般的に、シャフトが長ければ弧を描く様な飛びになり、シャフトが短ければ直線的に飛ぶ様になります。
出典:バレルとフライトの繋ぎだけが役目じゃない縁の下の力持ち!シャフトの選び方
ところがですね、、、エスダーツさんのサイトを見ると、真逆のことが書かれています。
長いシャフトは大きな弧線上を飛ぶ
短いシャフトは小さな弧線上を飛ぶ
出典:【シャフト×フライト講座】ダーツ購入完全ガイド|ダーツのことならエスダーツ!国内最大級の商品数、ダーツコンテンツを誇るダーツショップです!
言葉による説明だけ見ると、よくわかりませんね。。
どちらも合っているように見えて、違っているようにも見えます。
セッティングを自分で考えることの大切さ
世の中には「B型はマイペース」のような血液型診断のようなものが数多くあります。
科学的根拠があるものもあれば無いものもあります。
僕は、血液型診断には科学的根拠はないと思っていますが、けっこう当たっていたりします。
「刷り込み」によるイメージも関係しているのではないかと思います。
ダーツのセッティングには科学的根拠があるとは思いますが、先ほど書いたように書いてあることがまったく違うこともあります。
仮に、短いシャフトのほうが直線的に飛ぶとして、直線的に飛ばすために短いシャフトを選んでいくとしたらどうでしょう?真実が逆だとしたら、正解から遠ざかりますよね?
セッティング検証をするなら仮説を立てることが大事
試験などのときに、質問がモヤモヤして答えがわからないと思ったにも関わらず、解説を読んだらスッキリしたという経験がありませんか?
モヤモヤとしか理解していなくても、上手い説明を聞くと納得していまうんです!
次に同じような疑問に打ち当たったときも、同じように疑問に思って、同じように誤る。
結局、身に付いていないってことです!考えていないってことです。
ではどうするか?
「~だからこう思う」という仮説を立てるのが良いと思います。
いわば宣言のようなものです。
そして、宣言した仮説を元に検証する。
出た結果については素直に受け入れ、仮説のどの部分が誤りだったかを検証する。
これ、すごく重要だと思います。
こういう、面倒なことをやらないと、人間は考えないんだと思います。たいていは、無意識にいろいろ判断しちゃって、考えることをしなくなりがちです。
シャフトは長いほうが矢角が付くという仮説を立てた
そもそも僕は、自分のダーツの軌道とか、まったくわかっておりません。
動体視力が良くないので、見えないんです。
従って、刺さったときの矢角で軌道を判断するようにしています。矢角が付いたほうが山なりに飛んでいるという想定結果で良いのかなと判断しました。
裏抜きとか表抜きとかは考慮しません。
ダーツは、バレルの重心を軸に、フライトで抵抗を受けます。テコの原理で、シャフトが長いほど、大きな抵抗を受けると考えました。
そうすると、的の手前でガクンと抵抗を受けて落ちると思うんで、矢角が付くんではないか?と思ったわけです。
以下のようなイメージです。ツイキャス繋がりで最近お世話になっている「くまおさん」(@the_painter_k)に依頼しイラストに起こしてもらいました。
どういうセッティングで検証したか?
バレルは、
「Unicorn2019 コンテンダー カイル アンダーソン フェーズ2」
スペックは、
セッティング重量:20g
バレル長:43.2mm
バレル径(最大): 7.1mm
Kyle Anderson(カイル・アンダーソン)というダーツプレイヤー | 武器商人@ダーツのブログ
です。
シャフトは、
短いほうが、フィットシャフト2
長いほうが、フィットシャフト8です。
シャフトの長さによる飛びの違い検証結果はどうなったか?
実際に刺さったダーツとダーツボードの写真を以下に記載します。
写真の角度が悪くわかりづらくてすみません(汗
(あくまでも自分の)結論を言うと、矢角から判断すると
- 長いシャフト⇒直線的に飛ぶ
- 短いシャフト⇒山なりに飛ぶ
でした。矢角と直線的/山なりについてはもうちょっと補足が必要かもしれません。
以下、続けます。
仮説のどこが間違っていたのか?
的の手前でガクンと抵抗を受けて落ちると思うんで、矢角が付くんではないか?
後で、フォロワーさんからいろいろリプを貰いました。
投げた瞬間から抵抗を受けるので、その時点で矢先が落ちる方向の力が働くようです。つまり、投げた瞬間からダーツが水平に飛ぶような力が加わるので、矢角は付きにくいということです。
逆に、短いシャフトは抵抗が相対的に小さいので矢角はつきやすいっていうことになります。
もうちょっと言い換えます。
※ツイキャス繋がりで最近お世話になっている「くまおさん」(@the_painter_k)に依頼しイラストに起こしてもらいました。
最初は、以下のようなイメージで投げていました。
- 短いシャフト⇒直線的に飛ぶ
- 長いシャフト⇒山なりに飛ぶ
検証した結果は以下でした。
- 長いシャフト⇒直線的に飛ぶ
- 短いシャフト⇒山なりに飛ぶ
セッティング結果を踏まえて
結果を踏まえると、、、
山なりに投げたいのであれば、ショートシャフトに変更するということなんだと思います。
が、、、
僕は、そもそも大きな勘違いを前提に投げていました。
もともと僕は長めのシャフトを使っているのですが、長いほうが山なりに飛ぶという仮定で飛ばしていました。その割には直線的な軌道で飛ぶよう、腕を早く振り切っていました。
野球の遠投をするのに、遠くに飛ばなかったからと言って、思いっきり力を入れては投げませんよね?助走をつけたり、山なりに投げたりするのが普通です。
僕は、知らず知らずのうちに、力を入れて飛ばさなければいけないという偏見を持っていたということになります。
【結論】セッティングを変えるのかどうか?
セッティングは変えず、飛びのイメージを変えて、スローを変えて行こうと決心しました。
ロングシャフトを使うと抵抗を受けて直線的に飛ぶってことが自分の頭の中でわかりました。
「なんだよ、結局セッティング変えないのかよ?」と思われるかもしれませんが、セッティング変更の実験をしたことによって、新たな気付きがあったわけです。
決して無駄な検証ではなかったと思います。
そうやって考えていくうちに、自分にとって最適な答えが見つかるんじゃないかなと思います。
もしかすると、永遠と答えなんて出ないのかもしれませんが(笑)
【参考】シャフトの長さ一覧表
比較として、使用者の多い以下のシャフトをサンプルにしました。
- 紙フライト用
- Lシャフト
- Lシャフト(スリム)
- コンドルフライト
- 8フライト
長さ(mm) | L | Lスリム | Fit | コンドル | 8フライト | 紙フラ用 |
---|---|---|---|---|---|---|
13 | 130 | 1 | ||||
18 | 2 | |||||
19 | 190 | 19 | ショート | |||
21.5 | S | |||||
22.5 | 22.5 | |||||
24 | 3 | |||||
26 | 260 | 26 | インビト | |||
27.5 | M | |||||
28.5 | 4 | |||||
29.5 | 29.5 | |||||
30 | 300 | |||||
31 | 5 | |||||
33 | 330 | 33 | ミディアム | |||
33.5 | L | |||||
35 | 6 | |||||
37 | 370 | |||||
38.5 | 7 | |||||
42.5 | 8 | |||||
44 | 440 |
影響力のあるブログですし、おっしゃられているイメージを払拭する為にも流体力学について記入します。
ご参考になれば幸いです。
2.4m程でシャフト長による【山なり/直線】等の軌道には僅かな影響しかありません。
軌道は投げた瞬間のベクトルの影響が一番大きいです。
ダーツのシャフト長は到着角度の調整に利用するものだと考えます。
モデルロケット等の力学の中で、ダーツに応用できるものとして【重心と圧力中心(作用点)】が挙げられます。
◆長いシャフト=重心と圧力中心の距離が長い=抵抗に対して反応が遅い=風の方向に修正している途中でボードに到着(角度が付きやすい)
※スティールだと、この修正中の動きをスタッキングに使います。
◆短いシャフト=重心と圧力中心の距離が短い=抵抗に対して反応が早い=風の方向に修正済みでボードに到着(角度が付きにくい)
※投げる速さによりますが、修正が早すぎて2~3回目の修正中に到着し、逆に角度が付く人もいます。
この波長(反応)の長短が長いシャフトは安定力があり、短いシャフトはブレやすい、と一般的に言われる理由にもなります。
※到着角度にしても一番影響力を持つのは、投げた瞬間の速さと角度です。
例えば、ベクトルにダーツを乗せ、真っ直ぐ投げる人は修正も僅かなので、長さによる到着角度の変化は起こりづらい(長さは殆ど関係なし)です。